前回に続いて時刻の調整についてです。「ntp」パッケージをインストールし、NTPサーバを設定してもPCを再起動すると大幅な時刻のずれが起こることがあります。
原因としてはハードウェアクロックの狂いが考えられます。内蔵電池が消耗している場合等もハードウェアクロックに狂いが生じますが、設定の違いから時刻がずれてしまうことがあります。
Debianの時刻合わせの流れは起動時に「ハードウェアクロック」より時刻を読み取り「システムクロック」に反映させ、狂いがあれば「ntp」により修整します。そして終了時に今度は「システムクロック」の時刻を「ハードウェアクロック」に書き出します。
このことから「ハードウェアクロック」と「システムクロック」は同じ時間設定でなければならないのですが、片方が「UTC」でもう一方が「ローカルタイム」の設定になっていたりすると大幅に時刻がずれてしまいます。(本来ずれた時間は「ntp」により修整されるのですが、あまりにずれが大きい場合はトラブルと判断され「ntp」による修整が行われません。したがって時刻はずれたままとなってしまいます)
このような症状を改善するためには「ハードウェアクロック」の設定を変更します。
以下「ハードウェアクロック」を「ローカルタイム」にする設定方法です。
$ gksu gedit /etc/default/rcS
開いたファイルの「UTC=」の部分が
UTC=yes となっていたら
UTC=no に書き換えます。
# /etc/init.d/ntp restart
「ntp」を再起動します。しばらくすると正しい時間に合わせてくれます。
# ntpq -p
ntpの動作確認をすることが出来ます。
上手く行かない場合は手動で時刻を合わせてから再び実行してみてください。
$ date
現在の日時を表示
# date -s "2009/09/10 20:30:00"
日時を設定(2009年9月10日 20時30分00秒に設定する場合)
# date -s "20:30"
時刻のみ合わせる場合は上記でも可。
# hwclock --systohc --localtime
「ハードウェアクロック」を現在の「システムクロック」に合わせて「ローカルタイム」に設定します。
$ gedit /etc/adjtime
「ハードウェアクロック」の確認をします。
3行目に「LOCAL」とあれば「ローカルタイム」で動作しています。
2009年9月11日金曜日
NTPサーバの設定
PCの時刻調整は手動でも行えますが、NTPを利用すれば自動で正確な時刻に調整してくれます。Debianでも「ntp」パッケージをインストールすることにより利用が可能です。
設定は「Synapticパッケージマネージャ」で「ntp」をインストールした後、パネルの時計を右クリック>「時刻と日付の設定」で行うか、「/etc/ntp.conf」を直接編集します。
ここでは「/etc/ntp.conf」に直接NTPサーバを書き込む方法を紹介します。
$ gksu gedit /etc/ntp.conf
(/etc/ntp.confを編集可能な状態で開きます)
以下の部分を編集し、利用したいNTPサーバを書き込みます。
# You do need to talk to an NTP server or two (or three).
#server ntp.your-provider.example
# pool.ntp.org maps to about 1000 low-stratum NTP servers. Your server will
# pick a different set every time it starts up. Please consider joining the
# pool:
server 0.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server 1.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server 2.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server 3.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
初期状態では「debian.pool.ntp.org」が設定されています。自分はデフォルトのサーバをコメントアウトし、独立行政法人情報通信研究機構のサーバを利用しています。
# You do need to talk to an NTP server or two (or three).
#server ntp.your-provider.example
# pool.ntp.org maps to about 1000 low-stratum NTP servers. Your server will
# pick a different set every time it starts up. Please consider joining the
# pool:
# server 0.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
# server 1.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
# server 2.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
# server 3.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server ntp.nict.jp
server ntp.nict.jp
server ntp.nict.jp
もしくは次の一行を加えます。
pool ntp.nict.jp
「ntp」を再起動します。
# /etc/init.d/ntp restart
ntpの動作確認。
# ntpq -p
設定は「Synapticパッケージマネージャ」で「ntp」をインストールした後、パネルの時計を右クリック>「時刻と日付の設定」で行うか、「/etc/ntp.conf」を直接編集します。
ここでは「/etc/ntp.conf」に直接NTPサーバを書き込む方法を紹介します。
$ gksu gedit /etc/ntp.conf
(/etc/ntp.confを編集可能な状態で開きます)
以下の部分を編集し、利用したいNTPサーバを書き込みます。
# You do need to talk to an NTP server or two (or three).
#server ntp.your-provider.example
# pool.ntp.org maps to about 1000 low-stratum NTP servers. Your server will
# pick a different set every time it starts up. Please consider joining the
# pool:
server 0.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server 1.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server 2.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server 3.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
初期状態では「debian.pool.ntp.org」が設定されています。自分はデフォルトのサーバをコメントアウトし、独立行政法人情報通信研究機構のサーバを利用しています。
# You do need to talk to an NTP server or two (or three).
#server ntp.your-provider.example
# pool.ntp.org maps to about 1000 low-stratum NTP servers. Your server will
# pick a different set every time it starts up. Please consider joining the
# pool:
# server 0.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
# server 1.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
# server 2.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
# server 3.debian.pool.ntp.org iburst dynamic
server ntp.nict.jp
server ntp.nict.jp
server ntp.nict.jp
もしくは次の一行を加えます。
pool ntp.nict.jp
「ntp」を再起動します。
# /etc/init.d/ntp restart
ntpの動作確認。
# ntpq -p
2009年9月4日金曜日
GRUB(ブートローダ)の設定
※Debian GNU/Linux 6.0 (squeeze)よりGRUB(ブートローダ)の設定ファイルが /boot/grub/menu.lst から /boot/grub/grub.cfg に変更されました。
Debianをインストールすると、最後にGRUB(ブートローダ)をMBRにインストールするか尋ねられます。「はい」を選択すれば自動的にGRUBのインストールと設定を完了してくれます。これにより複数のOS、kernelをインストールしている場合でも簡単にマルチブートの環境を構築出来ます。
非常に便利な機能ですが、インストール後に設定を変更したり、場合によってはGRUBが設定されているOS自体を削除したいこともあると思います。
そのような時は以下の方法でGRUBの設定を変更することが出来ます。
まず、GRUBを設定したいパーティションのDebianでPCを立ち上げ、端末で以下を実行します。
# grub-install /dev/sda または /dev/hda
(使用しているHDを指定します。MBRへの書き込みおよび/boot/grubが作成されます。)
# update-grub
(/boot/grub/menu.lstの自動作成)
$ gksu gedit /boot/grub/menu.lst
(menu.lstの自動作成が上手く行かなかったり、内容を編集したい時)
GRUBのいくつかの設定はGUI環境の「StartUp-Manager」を使って行うことも出来ます。
自分は sda1にDebian5.0.2 i386を sda2にDebian5.0.2 AMD64 をインストールしています。
GRUBの設定は後からインストールした sda2 Debian5.0.2 AMD64 の方でしたが、これをsda1 Debian5.0.2 i386 に戻しました。
以下、現在の自分の /boot/grub/menu.lst (kernelリスト部分)です。
## ## End Default Options ##
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-686
root (hd0,0)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-686 root=/dev/sda1 ro quiet vga=771
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-686
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-686 (single-user mode)
root (hd0,0)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-686 root=/dev/sda1 ro single
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-686
### END DEBIAN AUTOMAGIC KERNELS LIST
# This is a divider, added to separate the menu items below from the Debian
# ones.
title Other operating systems:
root
# This entry automatically added by the Debian installer for an existing
# linux installation on /dev/sda2.
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-amd64
root (hd0,1)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-amd64 root=/dev/sda2 ro quiet vga=771
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-amd64
# This entry automatically added by the Debian installer for an existing
# linux installation on /dev/sda2.
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-amd64 (single-user mode)
root (hd0,1)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-amd64 root=/dev/sda2 ro single
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-amd64
Debianをインストールすると、最後にGRUB(ブートローダ)をMBRにインストールするか尋ねられます。「はい」を選択すれば自動的にGRUBのインストールと設定を完了してくれます。これにより複数のOS、kernelをインストールしている場合でも簡単にマルチブートの環境を構築出来ます。
非常に便利な機能ですが、インストール後に設定を変更したり、場合によってはGRUBが設定されているOS自体を削除したいこともあると思います。
そのような時は以下の方法でGRUBの設定を変更することが出来ます。
まず、GRUBを設定したいパーティションのDebianでPCを立ち上げ、端末で以下を実行します。
# grub-install /dev/sda または /dev/hda
(使用しているHDを指定します。MBRへの書き込みおよび/boot/grubが作成されます。)
# update-grub
(/boot/grub/menu.lstの自動作成)
$ gksu gedit /boot/grub/menu.lst
(menu.lstの自動作成が上手く行かなかったり、内容を編集したい時)
GRUBのいくつかの設定はGUI環境の「StartUp-Manager」を使って行うことも出来ます。
自分は sda1にDebian5.0.2 i386を sda2にDebian5.0.2 AMD64 をインストールしています。
GRUBの設定は後からインストールした sda2 Debian5.0.2 AMD64 の方でしたが、これをsda1 Debian5.0.2 i386 に戻しました。
以下、現在の自分の /boot/grub/menu.lst (kernelリスト部分)です。
## ## End Default Options ##
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-686
root (hd0,0)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-686 root=/dev/sda1 ro quiet vga=771
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-686
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-686 (single-user mode)
root (hd0,0)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-686 root=/dev/sda1 ro single
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-686
### END DEBIAN AUTOMAGIC KERNELS LIST
# This is a divider, added to separate the menu items below from the Debian
# ones.
title Other operating systems:
root
# This entry automatically added by the Debian installer for an existing
# linux installation on /dev/sda2.
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-amd64
root (hd0,1)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-amd64 root=/dev/sda2 ro quiet vga=771
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-amd64
# This entry automatically added by the Debian installer for an existing
# linux installation on /dev/sda2.
title Debian GNU/Linux, kernel 2.6.26-2-amd64 (single-user mode)
root (hd0,1)
kernel /boot/vmlinuz-2.6.26-2-amd64 root=/dev/sda2 ro single
initrd /boot/initrd.img-2.6.26-2-amd64
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