2009年10月23日金曜日

「Icedove」のカスタマイズ

自分は普段「Sylpheed」というメールソフトを使用していますが、ふと思い立って「Icedove」を試してみることにしました。
「Icedove」は「Thunderbird」のロゴ差し替え版で現在のLennyでのバージョンは2.0.0.22です。実は以前、etchの時に少し「Icedove」を使用していたことがあるのですが、その時はどうも動作が重かったので直ぐに「Sylpheed」に乗り換えてしまいました。
「Icedove」はLennyではデフォルトでインストールされています。一通り設定を終えて立ち上げると以前のような重さは感じませんでした。ただこれは自分が回線を光にしたのとPCを買い換えたためだと思います。
自分はGmailをIMAPの環境で使用していますが、IMAPは別のPCやメールソフトを使用しても常にメールの同期を保てるので非常に便利です。ただ、メールデータは全てサーバー上で管理しているので、ある程度回線速度が無いとメールが多くなるにつれてストレスを感じると思います。
色々と試しているうちに使いにくい点がいくつか見つかったので、自分なりにカスタマイズしてみることにしました。「Icedove」は「Thunderbird」の設定やアドオンを使用することが出来るのでカスタマイズの幅が広いのが良いところです。


フォントサイズ
まず、全体的にフォントのサイズがやけに小さかったのでそれを大きくしました。
メッセージ本文は編集メニューの設定でサイズを変更出来ますが、メニューや各ペイン、設定ウインドウのフォントは設定を変えてもそのままです。
調べてみたところ、「Icedove」(Thunderbird)は.mozilla-thunderbird/プロファイルフォルダ に chrome フォルダを作成、さらにその中に userChrome.css ファイルを作成してそこに設定を書き込むことによってユーザインターフェイスの設定が出きるようです。
メニュー、ペイン、ウインドウ別にフォントサイズはもちろん色やウインドウサイズに至るまでかなり細かく設定出来るようですが、自分は取り合えず全体のフォントを大きく出来れば良いので、作成した userChrome.css に以下の様に書き込みました。

* {
font-size: 12pt !important;
}

自分は12ポイントに設定しました。
書き込んだ後に「Icedove」を再起動すると設定が反映され、全体のフォントサイズが変更されます。


ゴミ箱フォルダの設定
次にGmailにIMAPで接続するとゴミ箱が二つになってしまうのでそれを一つに修正しました。
メニューの 編集>設定>設定エディタ で about:cofing を開きます。
「フィルタ」欄に mail.server.server と入力して「値」が imap.gmail.com となっている設定名を探します。
自分の場合だと mail.server.server2.hostname となっていたのでGmailは mail.server.server2 に設定されています。
右クリック>新規作成>文字列 で設定名に mail.server.server2.trash_folder_name と入力。
「値」を [Gmail]/ゴミ箱 とします。
ブラウザでGmailにアクセスし「Icedove」によって作成された [Imap]/Trash を削除します。
「Icedove」を再起動します。


新着メールの通知
「Icedove」は新着メールの通知にサウンドやポップアップウインドウを表示するように設定出来ますが、このウインドウは数秒で閉じてしまうため、ちょっと席を外していたりすると新着メールに気付かないことがあります。そこで新着メール受診時にパネルへとアイコンを表示するアドオンを追加しました。

「Mozilla New Mail Icon」
http://moztraybiff.mozdev.org/

丁度「Sylpheed」と同じような感じで上パネルの右側に新着メールを通知するアイコンが表示されるようになります。
※但し「Mozilla New Mail Icon」の現バージョンではこのアドオンを追加するとデフォルトのポップアップウインドウは表示されなくなります。


他にもデフォルトの新着メール通知(ポップアップウインドウ)を表示する間隔を指定する方法がオフィシャルのHPに紹介されています。
http://www.mozilla-japan.org/support/thunderbird/tips#beh_alert

.mozilla-thunderbird/プロファイルフォルダ に user.js ファイルを作成し、以下を書き込み表示間隔を指定します。

// 新着メール通知を表示する間隔を指定する (ミリ秒)
user_pref("alerts.totalOpenTime", 7200000);

単位は1/1000秒です。

ただ、この通知ウインドウは「受信トレイ」に受信されたメールのみを通知するようで、Gmailのフィルタで「受信トレイ」内のメールをアーカイブするように設定していると、新着メールを受信してもポップアップウインドウによる通知が行われないようです。


署名
「Signature Switch」
https://addons.mozilla.org/ja/thunderbird/addon/611

「Icedove」は通常「署名」を一つしか設定できませんが、このアドオンを使用することにより複数の「署名」を設定、選択可能となります。
メールアドレスを用途によって使い分けている場合等は便利なアドオンだと思います。


引用のカスタマイズ
「Quote Colors」
https://addons.mozilla.org/ja/thunderbird/addon/170

引用文の色や背景を設定したり、引用符を標準的な>に変更出来ます。


以上のようなカスタマイズの結果、今まで使っていた「Sylpheed」と比べてあまり違和感がなくなり、個人的には大分使いやすくなりました。
自分は「Icedove」に乗り換えるかは現在思案中ですが、現バージョンにおいては、HTMLメールを作成することがあり、動作に重さを感じない環境ならば「Icedove」、HTMLメールを作成することが無く、少しでも軽い動作を望むならば「Sylpheed」という選択になるでしょうか。